政治が面白くなってきた

政権が民主党に代わってから2ヶ月。短期間でドラマチックに変革を印象づけたいという意図があるのでしょう。次々に繰り出す新政策の報道で、定番のニュースを含め、テレビの政治番組が面白くなってきました。まさに、あれよあれよと言う感じですね。

 

それにしても、政策の方向性を「コンクリートから人へ」と、分りやすくシンプルなメッセージに凝縮した情報技術は並みのものではありません。そして、首都圏の裏庭で、映像的にパンチのある八ッ場ダムを、これまでのコンクリート行政のシンボルとしてお騒がせの中心的なネタに仕立てたのは、異論もあるでしょうが、そこに専門家の参加する広報戦略の影を見るのは私だけではないでしょう。

 

小沢一郎という政治家は、自民党田中派の実力者だった約20年前から、国政選挙を小選挙区制にして、競争による政権交代が可能な二大政党制を確立することを目指し、あの手この手の策略を凝らしてきました。日本の政治の民主化には、この根幹システムの確立がどうしても必要だと考えたようで、この目的のためには政治グループの離合集散、主義主張の変更も平気で行なってきたように見えます。

 

しかし、剛腕と言われた小沢一郎にして、20年かかってもその志を遂げることが出来ず、その成功には小泉純一郎というもう一人の別の「壊し屋」を必要とした、というのが私の直近の歴史観です。

 

単一政党内における政権のたらい回し、つまり政権カルテル・システムは、政官業の強固なトライアングルとあいまって、まことに壊れにくい制度になっていたのです。このトライアングルは、本来はマスコミを加えて「スクエア」と言うべきでしょうが。

 

私の見るところ、政権交代で今起きていることは、自民党政権下で積もり積もった負の遺産、つまり悪しきシステムのリフォームです。政策立案に悩んでいる自民党に比べて、やるべきことは明瞭です。

 

政官業のトライアングル解体

政治システムの官僚依存脱却

官僚の天下りの根絶

各種特別会計の闇の解明

 

など、など、の議論が盛んですが、何としてもなさねばならないのは、政権交代可能な二大政党制の確立という大命題です。それさえうまく行けば、二大政党がお互いに競って無駄を排除し、国民の利益につながる政策を立案・実行してくれるものと考えてよいのではないでしょうか。自民党が盛んに言っている政権奪還も、奪還して再び政権たらい回しをしたいというのではなく、健全な二大政党の一方のパワーになることを目指していただきたいものです。

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