元2ちゃんねる管理人、今は何が本業か分からない西村博之(ひろゆき)氏の新書『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』を読みました。
扶桑社
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タイトルの2ちゃんねるを捨てた理由は冒頭でわずかに語られる程度で、Web2.0,クラウドコンピューティングといったバズワードの勘違いの指摘やネットと既存メディアの話が中心です。第2日本テレビの土屋敏男氏との対談も面白い。Web2.0 についてはいいとしてクラウドについては同意できませんでしたが。言葉を変えただけで新しくないっていうけど、新しいと思います。
土屋氏との対談では海外向けのコンテンツを作らないといかん、という話になります。国内需要だけでは食っていくのは難しい、ということですね。第2日本テレビはアクセスしたことがないのですが、当初はユーザー課金モデルで後に広告モデルになった模様。ユーザー課金では食っていけないので無料にして広告モデルにした、と。テレビと同じになってしまったようです。現在テレビのコンテンツはしがらみ関連でいろいろ作りにくいようで、スポンサーの介在なしでないと作りたいものが作れない模様。そんな中でも面白いものを作りたい、というのが土屋氏の考えのようだ。
ネットと既存メディアの関わりあいの話も面白いのですが、ファミコン世代のゲーマーなので私が最も感心したのは「第5章ルール・オブ・ひろゆき」でゲームの話をしている箇所。
『桃太郎電鉄』も、みんなスゴロクゲームだと思っていますけど、そのおもしろさは実は違って、キングボンビーに追われる鬼ごっこの部分にあるんですよ。数あるスゴロクゲームのなかで『桃太郎電鉄』が生き残ったのはスゴロクで勝負せず、鬼ごっこに見えない形で、鬼ごっこの楽しさを盛り込んでいるからなんです。
ああ、そうか。気づいてませんでしたよ。最初に目的地にたどり着いて物件買い漁ってうはうは、も楽しいんですがキングボンビーの付け合いが楽しいんですよね、桃鉄は。その視点の持ち方は素晴らしい。
コンテンツフィルタリングについても面白かったので、ネットコンテンツ配信者の方には一読してもらいたいですね。