こんなテレビが欲しいな

サイドテーブルの上にあるコードレスのマウスで、画面上のウィンドウをクリックするとテレビのチャンネル選択のほか、インターネットのサイトが見られる。NHKのアーカイブなど見たいときに見られる。新聞のネット版も読める。一つの番組を見ながら、サブ画面でもう一つの番組またはウェブサイトをチェックできる。番組表を画面に呼び出して録画予約録画も自由自在。

 

さらに、携帯電話などのキーボードからインターネットのブラウザーのキーワード検索ができる。実はこの検索機能こそがエンタメを含めて、これからの情報接触のキーポイントなんですね。今のテレビも新聞・雑誌もここんところが外れているから、どんどん時代から取り残されようとしているわけです。そして検索サービスをめぐるグーグルとマイクロソフトの熾烈な戦いをよそ事のように報道していらっしゃる。民放の「やめろ、やめろ」の大合唱をよそに強引に過去番組アーカイブを始めようとしているNHKだけは、事の重大性に気づいているのでしょう。

 

ところで、こんなテレビ(パソテレ?)を発売するのはエレクトロニクス・メーカーにはいとも簡単な筈です。パソコンのモニターにテレビチューナーが付いた30インチぐらいの情報端末/フラットディスプレーですから。出てこないところを見ると、誰かがブレーキを踏んでいるんでしょうか。放送業界や担当省庁から「作るな」と言われるのか、エレクトロニクス業界が放送業界に遠慮して自己規制しているのか、パソはテレビと別の商品として売りたい、ということか、はたまた計画的小出し陳腐化作戦で少しずつ新機軸を出して、何回も買い替えさせようという魂胆か。

 

何回も買い替えさせるといえば、マスコミのこれまでのコンテンツ作りの手法は自社の編集部/編成部だけが過去コンテンツのアーカイブを利用できる仕組みの上に構成されていました。以前の作品の化粧を変えたり、複数の作品のコンセプトを合成したりして新しいコンテンツとして発売し、斬新なイメージをまとった使い捨てコンテンツを提供してきた面があります。そうやって繁栄してきたマスコミ業界がインターネット時代の大衆検索文化到来で苦労しているのが実態ではないかと思います。この問題は巨大です。「検索が要るなら電子辞書を買えば?」などと言っていると取り返しがつかなくなる恐れがあります。

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