一歩抜け出す


Okinawa

Originally uploaded by hidelafoglia

家族で旅行にいった。空港について自動チェックインしてみると、家族3人ともバラバラのシートだった。

機内に入って妻が娘の隣のシートと交換してくれないかとお願いしてみた。大手旅行代理店のツアー添乗員らしいその女性は仕事上その席にどうしてもいなければいけないので、という事で断られた。その女性はテイクオフして毛布をかぶって最後まで寝ていたのだったが。

結局、あるやさしいおじさんが妻に席を譲ってくれて娘の隣の席につく事ができた。

私の隣の通路側が空いていたのでアテンダントに聞いて子供の隣にしてくれないか、その旅行会社の女性がどうしても通路がいいんだったら、こっちの通路でもいいんじゃないか、ということを言ってもむだだった。結局、ずっと後ろの席で座っていたアジアの女性が隣の席についたのだった。でも、その女性は結局到着した後僕らよりもずっと遅く空港の乗り換えの通路にでてきたのだった。

仕事上は自分の仕事を全うしているのだろうし、そんな他人にゆずるなんぞしてあげる必要もないでしょう。でも、結果私は貴重な家族との旅行の貴重な3時間を失った。これが出張だったら何の問題も無い事だったのだが。

ツアー会社には情報が行っているはずだし、キャビンアテンダントは家族旅行がどんなものかわかるはずだ。ずっと寝ていた旅行会社の女性だって自分の客かどうかではなくて、そういう事に気を配るのが彼女の仕事の中でもっともすばらしい瞬間のはずだった。

お客を統計上の数字として扱うという事はこんなことだ。システムやルールで決まった事から逸脱する事が許されない。それは逆に言うと、決まった事だけを遂行する機械のような規格化された労働者としての自分、誰にでもできる代替が効く仕事しか与えられない自分、ということに自分自身の価値を落としている事になっている。

我々ももそんな仕事をしているときがあるはずだ。現在そうなっている事、決まっていることを盾に一歩進むことを断る理由にする。日々の向上を行なわない言い訳にする。責任が発生する事を理由に仕事を右から左に流す事ばっかりする。

そんなことを続けているとお客には必ずばれる。そしてしらける。
コミュニケーションがビジネスを左右する時代においてはそんなしらける雰囲気は最悪な状態である。

ルールや現状から一歩ずつ抜け出して進む事の積み重ねが他者との差別化として形に現れてるはずだと思っている。
by hdknr.com

One Response to “一歩抜け出す”

  1. boss より:

    顧客を対象にした仕事の究極の目的は「顧客満足」である、お客さんが喜ぶことなんだという、とっても単純なことが分からない人って結構いるんですね。サービス業に身を置くものは、自戒せねば。