誰が悪いとは思わないが。

もともとは自生していたモノを含め、県内生産量は年1000トン程度。

価格は1キロ当たり約50円。一人の生産者が一日あたり収穫出来る量は約100キロ、つまり約5000円。これでは人を雇う金額にもならず高齢者を中心に細々と生産収穫されていた。

ところが、ある日TVの健康バラエティー番組で『この果物は発ガン抑制や転移抑制、更に老化を抑える』と放送された。

ほぼ県内流通のみであったのだが、この番組以降一気に需要がたかまり全国から一斉に注文が殺到。慢性的な品不足に陥り、民家の軒先に自生しているモノまでに買い付け予約が入る始末。

価格は上昇し続け、ついにはキロ450円にまで上昇。

離農していた若者達も村へ戻り農業に従事、生産量は年3000トンまでに。単価は9倍、量は3倍=マーケット規模は9×327倍までアップ。

ところがブームは長く続かず、一気に需要が半減。価格は1キロ150円まで急落。絞られた果汁の在庫過多に苦しんでいる。

市場環境がどうであれ植物は育つ、半年後には収穫が始まる。

このままの状況であれば価格は更に下落し再生産可能価格を下回る可能性あり。そして更なる在庫過多へ。

そうなれば、農家は樹を切るであろうし、若者達も村から出て行くことになるであろう。

なんとかしたいが、妙案はなし。

誰が悪いとも思わないが、とても切ない気持ちになる。

沖縄県の『シークワーサー』の話である。

2 Responses to “誰が悪いとは思わないが。”

  1. yst より:

    地方には沢山の絶品、逸品、珍品が多数ひそんでいる。
    一過性の物でなく消費と供給を安定させるにはどうしますかね?
    まずはジュースを飲みに行きますか

  2. hideki より:

    ystさん、
    コメントありがとうございます。
    是非とも飲みに行きましょう。
    沖縄を訪れる観光客が1人1日一杯飲めば全て解決ですね。