10年後の広告はどうなっているか(1)

このテーマで書き始めたら、とても一気に書くことができない。時間をかけて考えながら書こう、というわけで、(1)としました。続きは来週になるか、再来週になるか。

 

いま、広告媒体が個性化、細分化、多様化の過程にあることは誰の眼にも明らかです。ウェブ媒体が伸びていますが、ウェブは一つのメジャー媒体でなく、それ自体が細分化の宿命をもっています。ウェブを中心とした細分化はさらに進み、さらにフリーペーパー、店頭媒体、アウトドア・サインボードなどほかの分野の多様化を誘発しながら進んでゆかざるを得ないでしょう。

 

一方で、テレビ、新聞など、メジャー媒体の勢力が低下しています。この低下現象がどこまで続くかが、明日の広告の姿に大きく影響するでしょう。これまでの50年間は、将来の歴史家が「テレビの半世紀」と呼ぶかもしれません。世界中が戦後の復興期で、商品にも、娯楽、情報にも渇望感がありました。そこへ技術的革新の成果として現れたテレビは、まさに時代の寵児となりました。広告媒体としての観点から見ると、消費者があこがれる商品の情報であろうが、低関心商品の情報であろうが、好きな回数だけプッシュ情報として消費者に届けるという前代未聞の広告技術を可能にしたのです。

 

いま、広告に携わっている人々は、多かれ少なかれ、このようなことが可能な環境の中で育ってきました。広告とはこんなものだ思っていたら、とんでもないことになるかも知れません。好きなだけプッシュ情報を流すことが可能でなくなった世界はどんなものか。続きはいずれまた。

One Response to “10年後の広告はどうなっているか(1)”

  1. noriko より:

    書きためて出版してください!
    続編に期待しています。