家庭菜園の野菜

千産千消産地と消費地に反応してみました。

千葉に住む母はかれこれ20年近くになると思いますが、趣味で家庭菜園をやっています。はじめの数年こそ、曲がったきゅうりだとか、葉が巻いていないレタスとか、出来すぎてわれてしまった大根は珍しくありませんが、テニスコート1/3面くらいの面積から収穫される野菜の量たるは、1人住まいの母だけで、いや普通の1家族でも簡単に消費できるものではありません。菜園仲間の中には道端で販売している人もいるとか。

ワタシは5年前まで、32年間実家暮らし(文字にするとすごいですね^^;)でしたので、収穫の時期、季節ごとに冬は大根、小松菜、ブロッコリー、春はキャベツ、玉ねぎ、豆類、夏はトマト、きゅうり、なす、秋には・・・・というように、毎日のように同じ食材が食卓に上ってうんざりしたものです。 ありがたみがわからないとはこのことですね。そして当時は、これが「当たり前の野菜の味」と思っていたのですが、野菜を自分で買うようになった今、数ヶ月に1回もらう家庭菜園の野菜と、いつも食べているスーパーや生協の野菜との味の違いを感じるようになりました。

ひとことでは著しにくいのですが、前者を食べると「味が濃い」というか、その野菜らしさが強調されたような感じるのです。白菜は甘みがあり、加熱すると柔らかいのにとろとろにとけない。ニンジンも、ニンジン嫌いの人には絶対に食べられないだろうなぁという、ニンジン臭い(らしい?)味なんです。(高い寿司屋で、魚の味に感動したことありませんか?あの感じ。あとはオイルと塩だけなのに、異常においしく感じる高級イタリアンの生野菜とか。)大げさなようですが、ほんのちょっとした「差」を、確かに感じるのです。

あるとき、母に聞いてみました。「家庭菜園の野菜と、普通に売っている野菜って何が違うの?」と。すると、「肥料の差かもしれない。」とのことでした。 母の家庭菜園では、「有機肥料」を使って育てているそうですが、農家の場合は、有機肥料価格がより安く、作物が早く育つ「化成肥料」を使っているのではないかということでした。なるほど、作物がゆっくりと時間をかけて育つことで、より多く陽の光を浴びて味が濃くなっていくのかもしれません。そして有機野菜が高い理由もなんとなくわかりました。

そういえば、NHKでも、こんな特集が。「わけありを安く売る」ビジネスチャンスで、面白かったのが、リサイクルショップで「わけあり野菜」が人気商品になっているという情報。二股の大根や、虫食いだらけの白菜などすべて数十円という価格。なんと、その秘密の仕入先は、家庭菜園だというのです。バイヤーさんもうまいこと考えたものです。 母の収穫物は、近所の仲良しさんにばら撒いているだけですが、そのたびに「おいしい」と言われ、「また頑張って作ろう」と思えるのだそうです。一人暮らしの老人が地域と結びつき、一定のモチベーション保って暮らせるのなら、ずっと続けて欲しいです。でも、もともとは、農家もこんな風に成り立っていたのではないでしょうか。

One Response to “家庭菜園の野菜”

  1. yst より:

    肥料の差もあると思いますが一番は愛情の差ですよ。