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小江戸

水曜日, 10月 21st, 2009

秋祭りの佐原を訪れました。古い懐かしい家並みを残し、川越、栃木と並んで関東の三大「小江戸」と呼ばれる街です。十数台の山車が出るお祭りは重要無形文化財に指定されているとか。多くの町内がそれぞれの山車を持ち、そのいずれもが独特の佐原囃子の笛・太鼓の曲を持っていて、それを奏でながら昔ながらの狭い街路を曳きまわるのです。

 

かろうじて町の縁辺にある駐車場に車を置いて、「さて、山車はどのあたりにいるだろうか」と、ぶらぶらしているうちに、法被・股引の祭衣装の中学生らしい一群と出会いました。生意気盛りの中学生に聞いてもどうせ教えてくれないだろうと思いながら聞いてみると、「ウン、この時間なら佐原信用金庫のあたりだよ」「いや、小野川沿いに待っているといいんじゃないか」と数人が寄ってきて、親しげに教えてくれるではありませんか。道で行き合った見知らぬ旅人に小学生が「お早うございます」とペコリとお辞儀をして挨拶するような田舎町の人情が好きですが、ここでもそんな気風や行儀が残っているな、と思いました。

 

10月11日の日曜日、祭りの最終日とあって、「今日は乱曳きだからね」と言うのですが、言葉から想像するような荒々しさはなく、各町内の山車が思い思いに勝手なコースを回るという意味らしい。むしろ哀調を帯びた佐原囃子で、みやびな感じの山車運行なのでした。

 

鹿島神宮と香取神宮に挟まれた土地柄ですから、山車の人形に神武天皇、ににぎのみこと、ヤマトタケルノ尊とあるのはなるほどと思えますが、武将の方は源頼朝、源義経、源為朝と、源氏ずくめ。川をへだてて常陸の国、平将門活躍の地に近いにもかかわらず、です。何か歴史的な因縁があるのかも知れません。山車もさることながら、古い町並み自体に魅力があるので、お祭りでなくても一度訪ねる価値があります。